セッティングのすゝめ

セッティングの道は奥が深い

GT5にはいくつか魅力がありますが、僕が最も惹かれているのが車両の挙動を比較的正確にシュミレーションしているところです。*1

なんと!ジオメトリを0.1単位で調整しても挙動が変わる精密さ。

裏を返せば、微細にセッティング出来る上にその範囲がとても広いということになります。車の挙動を楽しむだけなら特に問題はないのですが、速く走らせようとするとどうしてもこの微細にセッティングできる・セッティング範囲が広いというところが重くのしかかってくるのも事実。

僕が過去にハマったEPオン/オフレースもそうでしたが、レースで好結果を得るにはドライビングテクニックも当然必要ですが、コース・タイヤ・レギュレーション・路面状況に合せた的確なセッティングが非常に重要になります。

このセッティングという行為がとてもやっかいで「正解のセッティング」はなく、おまけに先に上げた様々な要素が絡んできます。当然、ドライビングテクニックでカバーできる要素もそこには含まれますので...もう無限大です^^;

そこで大切になるのが、どこをどう調整したらどのように挙動が変化するのか?という事を収集し把握する作業です。

駆動形式で大雑把にセッティング傾向が掴めるのでは?というご意見もあるかと思いますが、実際にセッティングしてみましたら分かります通り、同じ車両でも形式・年式で微妙に異なりますし、駆動形式の傾向と真逆の場合も普通にあります。

また気持よく走らせられるセッティングでいざ走行してみるとタイムが全然出ず、逆にこりゃ難しいぞというようなセッティングで走行してみるとビックリするようなタイムが出たり...

セッティングはとても奥が深い行為なのです。

セッティングに近道は無い

実際のセッティングでは近道は無く、微細な単位で調整・試走・データ収集を繰り返し、集まったデータを元にコース・タイヤ・レギュレーション・路面状況そして自身のドライビングスタイルに合わせて最適なセッティングをしていくしかありません。

こう書くとセッティングに時間がかかって肝心のレースが楽しめないじゃないか!という悲鳴にも近い声が聞こえそうですね(^^)

しかし、近道はありませんが、やり方によっては効率的にセッティングを進めることができます。

EPオン/オフレースへの参加*2で得られた経験をベースに実際に僕が行なっているセッティング手法を少しだけ紹介します。

1.ホームコースを設定する

コース独自のセッティングが出来ればいいじゃないか!というご意見もあるかと思いますが、正確なセッティングデータを収集するにはホームコースを設定し極力同じ条件で収集出来る環境を持つことが非常に重要です。

出来るだけ同じタイムでLAPを刻め、様々な大きさのコーナーや様々な長さの直線があり、尚且つ天候や時間が変化するコースがオススメです。

2.調整単位を設定する

ホームコースを設定しましたら次は調整単位を設定します。

まずは周回数の設定。
1周単位でセッティングを進めていく事も当然可能ですが、それではLAPの安定度を確認するという視点が欠けますので、5周以上がオススメです♪

1セット=N周

という具合です。

そして実際の調整単位の設定。
この単位は自分自身がはっきりと違いを感じ取れる単位でいいかと思います。

FRネガティブキャンバー角なら0.2ずつ調整

という具合です。

3.調整順序の固定化

意外に重要なのは調整・データ収集順序の固定化です。
調整順序が毎回異なると、セッティングの深みにハマることも多々ありますので、同じ順序で調整・データ収集し少しでもオカシイな?と感じたら前に戻りやり直す...というような感じで進めていきます。

4.実際のセッティング

ホームコースの設定・調整単位の設定・順序の固定化というルールが出来上がりましたら、各ルールに則りデータの収集作業を進めていきます。

どれぐらいのペースで試走するかは人によって異なりますが、大切なのは調整後の挙動変化をしっかりと感じ取ることです。

その違いを感じ取るためは自ずと感じ取れるペースでの試走になりますし、1度の試走セットで複数の調整をするのではなく慣れるまでの間は1ヶ所づつ調整し、より確実に調整後の挙動変化を感じ取れるようにします。

5.ベースセッティング(たたき台セッティング)を確立

セッティングを進めて行くと沢山のデータが集まります。当然ながらホームコースでの最適なセッティングというのが見えてくるかと思います。
そこでホームコースを高レベルのタイムで安定してLAPを刻めるセッティングを設定します。これをその車両のベースセッティング(たたき台セッティング)とし、その車両の基軸にします。

このベースセッティングを固める際に大切なことは、実質的なセッティング幅*3をしっかりと確保するという事です。様々なコースを様々な条件の中、転戦していく際にこの『幅』が大きな武器となります。

ベースセッティングを確立する段階でこの車両のどこをどう調整すればどのように挙動が変化するのか?を完全に把握していますので、あとは参加するレース等で各コース・タイヤ・レギュレーション・路面状況に合わせて調整するだけです。*4

6.固定観念を捨てる

もちろん駆動形式によりセッティングの傾向性というのがあります。しかし、その傾向性に因われずセッティングデータを収集することがとても大切です。

御存知の通り車両には個性があります。
その個性をしっかりと見極めるためにも固定観念を持たずにセッティングデータを収集するということが必要になるかと思います。

最後に

冒頭でも書きました通り、セッティングという行為はとても奥が深いです。しかし、自分にあったルールを設定することにより深みにはまらず効率的にセッティングを進めることができます。

更にセッティングを進めていくことによりその車両の個性がデータという形で浮き上がり、その車両をより深いところで楽しむことが出来るかと思います。

どうですか?

皆さんもセッティングという奥が深い行為にハマってみませんか?

それでは。

*1:車高調整に関しては別

*2:全日本選手権にも参加したことがあります♪

*3:各車両ともセッティング幅は広いですが、実際にレース等で役に立つセッティング幅は案外狭くなります

*4:結構、素早くそして的確に調整できます♪